《 石のお話 》

<地球は薄皮まんじゅう>
地球の年齢をご存じですか?
正解は、46億歳。(と推定されています)
気が遠くなるような、はるか昔、
太陽や他の惑星といっしょに誕生したとき、
地球はまだ、ドロドロに溶けたマグマの状態でした。
やがて、その表面が冷えて固まったのが、地殻(ちかく)です。
岩石で覆われた地表ができたのです。
地球をお饅頭に例えると、地殻は皮にあたる部分です。
厚さは、平均30キロ。最も厚いところでも100キロ程度。
地球の半径のわずか1〜2%ですから、まさに薄皮です。
その地殻の内部にあるのが、お饅頭のあんこにあたるマントル。
マントルは、時折、溶けた状態のマグマとなり、
薄皮を破って地表に噴出します。それが、火山です。
<石材の人気No.1は御影石>
地殻を形づくる岩石には、大きく分けて3種類あります。
マグマが固まってできた火成岩、
土砂や生物が堆積してできた堆積岩、
そうした岩石が地球の圧力や熱で変化してできた変成岩の3つです。
一番多いのが火成岩です。
火成岩のうち、マグマが地中の深いところで、
ゆっくり時間をかけて固まったものが、花崗岩(かこうがん)です。
大陸は、主にこの花崗岩で出来ています。
花崗岩は、別名、みかげ石。
神戸・六甲山のふもと、御影地方で多く産出することから、
日本では、その名があります。
そして、建材や墓石などの多くが、このみかげ石です。
みかげ石は、いわば、石材のベストセラーです。
<石材は地球の贈り物>
石にも年齢があります。
岩石に含まれる放射性元素は、一定の時間進行で核分裂を起こします。
その放射年代を調べることで、石の年齢を確実に計ることができます。
従って、放射年代を「絶対年代」とも呼びます。
地球上で一番古い岩石は、カナダで見つかった40臆年前のものです。
38億年前の堆積岩からは、生物の成分が見つかりました。
こうして、生物の誕生は、遅くとも地球誕生の約8億年後という推測ができます。
日本で産出される花崗岩(みかげ石)は、
6000万年から、せいぜい1億5000万年前のものです。
岩石としては、出来たてホヤホヤの新鮮な石です。
これは日本列島が、なお造山活動の進行中である証しともいえます。
このように、宝石から道ばたに転がっている石ころまで、
どんな岩石も地球の歴史をしっかりと刻み込んでいます。
いわば、石は地球の履歴書です。
そして、硬くてきれいな結晶や色を持った数々の石材は、
地球から私たちへの素晴らしい贈り物ともいえるでしょう。